日が沈み、お日様が眠りにつこうとするころ、農場の片隅で小さなハリネズミがひそひそと動き回っていました。その名はポコ。ポコは夜行性の動物で、夜の闇を好み、日中にはあまり姿を見せませんでした。
ある晩、ポコは爽やかな風が吹く農場の真ん中で、どうしても解けない謎に遭遇しました。それは大きな銀色の箱。ボタンや画面がついている物体で、ポコはそれを見つめて首をかしげました。彼は今まで見たこともないその物体が何なのか、どうしてここにあるのか不思議でたまりませんでした。
— これは一体何だろう?とポコは自分に問いかけました。
畑を巡って調査しようとしたその時、どこからかにんまりと笑う声が聞こえてきました。振り向くと、白いコートをまとった医者が立っていました。
— こんばんは、ポコ。何をそんなに真剣に見つめているんだい?
— あなたは誰?そしてこの箱は何なの?
— 私はこの農場を訪れた医者なのだよ。そして、それはコンピュータというものだ。
— コンピュータ?それって何をするもの?とハリネズミは興味津々な表情で聞き返しました。
医者はやさしく笑いながらポコに説明しました。
— コンピュータは色々なことができる魔法のような機械さ。情報を保存したり、見たり、計算したり、世界中のことを知ることができるんだ。
ポコはその話にすっかり夢中になり、もっとそのコンピュータのことを知りたくなりました。
— それじゃあ、どうやって使うの?
医者は地面にしゃがみ、コンピュータのボタンを押してみせました。すると、スクリーンには色鮮やかで美しい画像が映し出されました。
— これがインターネットと呼ばれるものなんだ。こんな風に、いろんな情報を探すことができるんだよ。
ポコは目を大きく見開いて、画面を見ると、色とりどりの風景が次々と現れるのを楽しみました。突然、ポコの中に一つのアイディアが浮かび上がりました。
— 医者さん、僕も何か探してみたい!農場の秘密を調べたいんだ。
医者は親しげに微笑んで、それならとポコにやさしく教えました。ポコは神秘の宝探しのように、農場の歴史や秘密について調べ始めました。ポコは夜を徹してコンピュータを使いさまざまな情報を集めました。
その途中、ポコは驚くべき事実を発見しました。農場には、かつて大きな王国が存在していたというのです。さらに、宝物が隠されている場所の地図も見つけたのです。
ポコは地図を手にして、興奮気味に医者に報告しました。
— 医者さん、見て!宝物の地図だよ!きっと農場のどこかに隠されているんだ!
医者はうなずきました。
— それはすごい発見だ。しかし宝物を探すには勇気と知恵が必要だ。ポコ、君はその二つを持っているかな?
ポコは医者の言葉に自信を取り戻し、力強くうなずきました。さっそく、夜の闇に包まれた農場の中を探索し始めました。地図を頼りにポコは次々とヒントを解いていきました。
深い森の中を抜け、古い倉庫の裏を通り、やがて辿りついたのは農場の奥にある大きな木の下でした。そこには古びた小箱が埋まっていました。
ポコは小さな手で一生懸命小箱を掘り出し、中を開けました。すると、そこには色とりどりの宝石や古いコインがぎっしりと詰まっていました。ポコの目がキラキラと輝きました。
— やった!本当に見つけたんだ!
医者も一緒に小箱を眺めながら、ほほ笑みました。
— 良くやったね、ポコ。君の勇気と探求心があったからこそ、この宝物が再び日の目を見ることができたんだ。
ポコは感激の涙を浮かべながら、その日の夜を満喫しました。そして、農場には新たな伝説が生まれました。小さなハリネズミ、ポコが農場の秘密を解き明かし、宝物を見つけたという物語です。
コンピュータの力と医者の助けを借りて、ポコは昼にも負けないくらい輝かしい夜を過ごしました。その後、ポコは農場の仲間たちにその冒険を伝え、多くの友達と一緒に幸せな日々を送りました。