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http://海底の友だち%20-%20Koaliaストーリーズによる物語

海底の友だち

深い海の底からゴゴゴと響く不思議な音。何が起こっているのかと、犬のポチがその音の出どころを探し始めた。ポチは大きな探偵帽子をかぶり、真っ赤なブーツを履いて、海底の潜水艦に乗り込んでいた。

昼下がりの静けさを壊すように、潜水艦のエンジンが再び動き出した。ポチは、なぜこんな場所に潜水艦があるのか、その謎を解明しようと決めた。沈んだ船内を進みながら、彼はふっと何かの影が動くのを見た。

— だれかいるの?とポチは震える声で尋ねた。

その瞬間、銀色に輝く狼が現れた。その狼は風のように速く動き、ポチの前に立ちはだかった。狼の目はまるで月の光のように輝いていた。

— お前は誰だ、そしてなぜここにいるのか?と狼が低い声で問いかけた。

ポチは勇気を出して答えた。

— 僕はポチ。この音の出どころを探していたんだ。あなたは?

狼は首をかしげて、振り返った。

— 私はルロ。ここに来た理由は話せないが、お前が困っているなら手伝ってやろう。何を知りたい?

ポチは、ルロの誠実な目に説得されて、一緒に調査することに決めた。二人は潜水艦の暗い通路を進むと、巨大なエンジンルームにたどり着いた。そこで見たものは、壊れたパイプから流れ出る水と、ぶつかった大型装置だった。

— これが原因かもしれない、とルロが言う。

エンジンルームの隅に、古びた地図が転がっていた。ポチがそれを拾い、ルロと一緒に見てみると、海底に届け物をしに行く秘密の航路が示されていた。

— これだわ!この航路をたどって、届け物を完了しないといけないんだ、とポチは悟った。

二人は急いで作戦を立てた。ポチは細かい作業が得意で、ルロは力強いので、大型装置を元に戻すのは彼に任せることにした。

— ぽち、ここから先は僕が担当する。お前は別の道を探して安全なルートを確認してくれ、とルロが言った。

ポチはその指示に従い、新しいルートを探し始めた。途中で古びたドアを開けると、そこには神秘的な空間が広がっていた。綺麗な蛍光色の魚が優雅に泳ぎ、奇妙な海底植物が輝いていた。その異世界のような美しさに、一瞬、ポチは見とれてしまった。

ふと、ポチは輝く小さな鍵を見つけた。その鍵はポチの直感が正しいと思わせる雰囲気を醸し出していた。

— これだ!この鍵がきっと秘密の答えを教えてくれるんだ!

ポチはルロのところに戻り、一緒に鍵を使ってみることにした。鍵はぴったりとはまる場所を探すのは簡単ではなかった。しかし、ついに古びた金庫のような装置に鍵穴を見つけた。

— これが最後の試練だね、ポチ。やってみる価値はある、とルロが静かに言った。

ポチは力強く鍵を回し、金庫が開いた。中には、美しい宝石と共に、潜水艦の本来の目的が記された古文書があった。その文書には、潜水艦は失われた海底都市に食物や医療品を届けるためのものだと記されていた。

— これでわかったぞ、ルロ。この潜水艦を正しい方向に戻せば、みんなを助けられる!

二人一緒にエンジンを修理し、地図を頼りに航路を再設定した。潜水艦が再び動き出すと、ポチとルロの気持ちは一つになった。

潜水艦は無事に目的地にたどり着き、都市の人々は大歓声で二人を迎えた。その日から、ポチとルロは海底世界の英雄となり、友だちの絆が深まっていった。

ポチとルロは、今でも大切な友だちとして、海の冒険を共に続けている。それはすべて、一つの謎から始まった、小さな勇気と友情の物語だったのです。

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